ふるさとの食べごと〜宮崎県椎葉村・秋

豊かな気候に恵まれた日本列島。私たちが伝えていきたいのは、失われつつある風土に根ざした暮らし、そして食のあり方です。「茅乃舎1893」プロジェクトでは、自然に感謝し、助け合いながら生きる姿とともに、つくることの尊さ、食べることの豊かさを問い直したいと思います。

今回公開する第2弾は、九州の山間地、宮崎県椎葉村(しいばそん)の様子を映像におさめました。
下記のリンクから、ぜひ動画をご覧ください。

私たちが置いてきたものは何だろう。

今、私たちをとりまく食はとても豊かに、便利になりました。いつでもどんな食材でも手に入り、手のひらの上でレシピを検索することができる時代。それでもふとした折に、便利さの対極にある、ふるさとの食を思い出すことがあります。幼いころ祖母が作ってくれたお煮しめの匂い。お祭りの境内で食べた、おこわの山菜のほろ苦さ。季節と土地のにおいが詰まったおいしいものたちの記憶です。

身近にあったものが少しずつ手に入らなくなっていることに気がついたとき、「今、何かしなければ」そう背中を押されている気がしました。時代の変遷で置き残してきたものの中に、実は大切なものがありはしないか。『茅乃舎1893』の探訪は始まりました。

その土地に育つものを生かした食があった。
その土地に育つものを生かした食があった。
幾重にも重ねられたシソの味噌漬けは、滋味があふれる。
一晩中続く椎葉の夜神楽では、打ちたての蕎麦がふるまわれる。
自然からいただくものへの感謝は、つねに食とともにあった。

椎葉村の奥深い山あいに暮らす人々は
限られた土地の恵みを活かし生きていました。
そのなかで労働歌が生まれ、祈りが生まれ、
ユニークな食文化が受け継がれることになりました。
体にしみわたるヒエの雑炊、
あつあつの蕎麦から漂う祭りのにおい。
食は椎葉の風土と強く結びついています。

百年を越えるふるさとの食べごと。
自然に恵まれた日本列島は
山をひとつ越えるだけで
とれるもの・食べるものも違いました。

土地に伝わる豊かな食は、
皆さまのご自身の記憶を呼び起こすかもしれません。

ご覧いただけましたら、幸いです。

「茅乃舎1893」
茅乃舎(かやのや)の原点は、1893年(明治26年)に誕生した久原醤油です。明治から昭和にかけての近代化により、食にも大きな変化がおきました。1893年をひとつの目安としながら、古くより伝えられる食のルーツを探っていきます。